うつ病治療にβヒドロキシ酪酸(BHB)

photo credit: WeTravel.com Yoga Retreat via photopin (license)

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βヒドロキシ酪酸

βヒドロキシ酪酸は脂肪酸が体内で分解されて作られる脂肪酸代謝産物で、飢餓時などブドウ糖が不足した時にブドウ糖の代わりに脳のエネルギー源として利用される物質です。ブドウ糖が不足した状況下で脂肪酸が燃えるとき、ケトン体と呼ばれる物質が肝臓で作られます。そして脂肪酸が分解されてエネルギーを産生する過程で生成されるアセト酢酸、βヒドロキシ酪酸、アセトンの3つがケトン体と呼ばれています。

肝臓はこのケトン体を自身のエネルギー源として利用することはできませんが、脳をはじめとした他の臓器はケトン体をエネルギー源として利用することができます。

通常では、脳はブドウ糖しかエネルギー源として利用できませんが、ブドウ糖が不足した時、体は脳のために肝臓でケトン体を生成して脳のエネルギー源をして利用できるようにしています。
このようにしてケトン体は、筋肉や心臓、腎臓、脳など多くの臓器の細胞にあるミトコンドリアで代謝されてブドウ糖に代わるエネルギー源として利用されます。

特に脳にとってケトン体は、ブドウ糖が不足した時に唯一脳の働きを支えるエネルギー源となるのです。

うつ病とβヒドロキシ酪酸

さて、うつ病とβヒドロキシ酪酸がどう関わってくるのでしょうか。

実はこのβヒドロキシ酪酸をエネルギー源として脳が利用するとき、脳はブドウ糖を使用しているときよりもアルファ波を生じやすくなると言われているのです。

つまり、ブドウ糖が不足した時に脳がエネルギー源として唯一利用できるβヒドロキシ酪酸というケトン体が、心の爽快感や安定感に役立つということなのです。

うつ病では糖質制限食が効果があるとの研究もありますから、効果的にブドウ糖を抑えることはうつ病の治療に役立つのかもしれません。

また最近では、βヒドロキシ酪酸には抗炎症作用や老化を遅らせる作用、美容、ダイエットといった健康に寄与する作用が報告されていて、サプリメントも発売されるようになっています。

抗うつ薬では3割ほどの人に全く効果が見えないという研究結果があることから、対症療法だけではなく、βヒドロキシ酪酸のようにうつ病を予防したり、心を安定させたりする効果のある成分が注目されるのはいいことですね。

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